FC2ブログ

タイトル画像

【 相関関係と因果関係 】

閲覧数:
2022.05.09(17:20) 86


【 相関関係と因果関係 】

ここでは、統計に於ける『Pitfall』について述べます。
右図は、

「男女別 肥満率の年次推移グラフ」(図-1)

です。
男女別 肥満率の年次推移グラフ
この資料の原典は
……………………………………
平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要
第2部 基本項目
第1章 身体状況及び糖尿病等に関する状況
1.肥満及びやせの状況)(平成 20 30 年)
……………………………………
です。(平成30年 = 2018年)

ここで 肥満率とは、調査対象者の中で、
BMI ≥ 25 (kg/m²)の人の割合(単位 %)となります。




図-1:男女別 肥満率の年次推移グラフ

このグラフを表にしたものが、右表 (表-1)です。

そして、この 表-1 から、Excel で、
『男女の肥満率の散布図』を作成してみました。



男女の肥満率の散布図
図-2:男女の肥満率の散布図 表-1:男女別 肥満率の年次推移表

この「図-2」の
横軸(x軸) は、男性の年別の肥満率で
縦軸(y軸) は、女性の、男性と同年の肥満率です。
各プロットに振っている「Hnn」は、平成nn年です。





さて、ここで統計量

M:男性の肥満率
F:女性の肥満率

この二つの統計量の 『相関係数』を、
Excel の「CORREL関数」を使って算出すると

相関係数 r = 0.5269706

が導かれます。

『相関係数』の解釈として、概ね、

・ 0.3未満:ほぼ相関関係はない
・ 0.3~0.5未満:非常に弱い相相関係がある
・ 0.5~0.7未満:相関関係がある
・ 0.7~0.9未満:強い相関関係がある
・ 0.9以上:非常に強い相関関係がある

と言われています。

因みに、二つの事象について、この『相関係数』が

❖  1の時:完全な正の因果関係がある
❖ -1の時:完全な負の因果関係がある

となりますが、完全に ±1 になることは、まずありません。


そして、上記の、『相関係数』の解釈を踏まえると
MとF との相関係数 r = 0.5269706 は

男性の肥満率と女性性の肥満率は、そこそこ相関関係がある。


という事になりますね。



さて、皆様は
『男性と女性の肥満率に相関関係などない』事は
経験的な知見によって、分っている筈ですね!

ところが

① 受動喫煙の曝露
② 健康被害

といった事象の相関関係については
経験的な知見が備わっておらず、それ故に
ある程度の肩書のある医師や医学研究者が

……………………………………
① と ② の相関関係を示した統計を掲げ
『故に、受動喫煙への曝露は健康被害を齎す』
可能性が、このように高いのです。
……………………………………

と、結論すれば、素人たる読者は
❝なる程、受動喫煙って危険なんだ❞
という認識を形成していく訳なのです。

これは、極論すれば
『未知の論証の誤謬(fallacy of the argument from ignorance)』
に属する論法だと考えられます。

すなわち
「XがYでない事は誰にも証明出来ない。故にXはYである」
という推論形式なのです。

オラッちの主張 ❗


ここで大事な事は
『自分なりの検証を行う』
そして、その際に、
『自分の経験的知見と照合する』
ことだと考えています。

では、では。





ウータンのブログ

コーギー・ワンワン_Small_001 NoOneKnows
医学・疫学 トラックバック(-) | コメント(0) | [EDIT]
<<【 統計学の数式(By using \({\LaTeX}\))】 | ホームへ | 【 削除された質問 】>>
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する