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【「フィンランド症候群のうそ」のウソ 】

閲覧数:
2022.11.09(12:00) 96



【「フィンランド症候群のうそ」のウソ 】


ここでは、「禁煙センセイ.com」に記載された
「フィンランド症候群のうそ」(S1)のついて検証してみました。

文中の(Sn:nは1~)は、出典または原典の番号を表し、末尾に詳細を記載しています。

まず「フィンランド症候群」の原典は以下の二つです。
原典 ①:(略称:「フィンランドの中年男性の長期死亡率の調査」)(S2
原典 ②:(略称:「ヘルシンキ・ビジネスマン調査」)(S3




◆ 「フィンランド症候群のうそ」を検証


タバコ病辞典サポートページ_図16-4

さて、「禁煙センセイ.com」では、以下の様に述べられています。
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介入群に禁煙や禁酒の指導はしていたのですが、
実際には指導は効果がなく、
2グループに喫煙量や飲酒量の差はなかったのです。

「禁煙センセイ.com」の掲載図:右図
図16-4 ヘルシンキ・ビジネスマン調査での喫煙量と飲酒量(S4
(以降、図16-4
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この図の喫煙量の(g/日)という単位の意味が良く分かりませんが
確かに介入群と対照群では、左程の『大きな減量』は伺えません。

しかしその事は、この『フィンランド症候群』の示唆する内容とは
別の次元の話であり、『ストレスによる疾病への罹患や死亡』とは無縁の事柄なのです。

つまり、対照群では「自主的に減らした」と考えられ
介入群では「医師の指導によって減らされた」と解釈するのが自然なのです。

従って、この「図16-4」
「2グループに喫煙量や飲酒量の差はなかった」という事は言えても
『ストレスによる疾病への罹患や死亡』という同論文の示唆する内容を
否定するものでは決してないのです。

また、同サイトでは
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介入で使用された薬剤の副作用によるという解釈が有力
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と述べていますが、原典①では
――――――――――――――
(介入群は)
しばしば低脂血症薬(主にクロフィブラートおよび/またはプロブコール)
および抗高血圧薬(主にベータ遮断薬および/または利尿薬)で治療された
――――――――――――――

となっており、もし介入群において、これらの薬の副作用が認められたならば、
指導医師は、速やかに対処した筈である。

でなければ、何の為に医師が指導したのか
全く以て「本末転倒」であると言わざるを得ない。

よって、この解釈は ❝無理がある❞ と結論できるのです。



◆ トピックス

次に、原典に示された図表で、特に興味のあるトピックについて述べます。

Ⅰ.死亡原因について

原典② Table_2_抜粋表

この表は、原典 ② の「ヘルシンキ・ビジネスマン調査」に記載された「Table2」から、
介入群(Intervention:水色部分)と対照群(Control:黄色部分)を抜粋した表です。(以降、「原典② Table_2_抜粋表」 と言う)

各カラムの数値は、1,000人当たり換算の死亡率であり、()内の数値は、実際の 死亡数です。

まず、最も注目すべきは、「暴力死」でしょう。
対照群が 1.6% に対し、介入群は、26.1% という驚くべき数値を示しています。
これは偏に『ストレスにより抑圧された鬱積が爆発し、暴力を引き起こした』と解釈するのが妥当だと考えます。

次に「自殺」です。
対照群が 0% に対し、介入群は、3.3% という数値を示しています。
これも「暴力死」と同じストレスによるうつ病や悲観的な精神状態が齎した結果と言えます。

疾病的にも「脳卒中/脳内出血」こそ対照群が多いものの
「冠動脈疾患」は、やはり対照群の 31.1% に対し介入群は、63.7.% という倍以上の数値を見せています。

また「悪性新生物:がん等」においては
僅かに対照群が多いものの、ほぼ同じとみて差し支えない数値だと認識します。


Ⅱ.生存率について

原典② の図2-カプラン・マイヤー生存曲線


右に示した図は、原典② で示された図2(Figure2) で
「カプラン・マイヤー生存曲線」と呼ばれる
『生存率を経過年数毎に表した図』です。

この図の右側に1~5と附番された曲線の内
2が、対照群
3が、介入群
なのです。

この二つの曲線に示されたように、
約20年後の生存率は、対照群の方が高い
のです。


◆ 総括

以上から、やはり格言に言う『病は気から』のように、ストレスにより悩んだり、悲観的になることは
疾病への罹患や暴力沙汰、そして自死という結果を招きやすいことが如実に示されていますね。

タバコや酒も、無理して禁煙・断酒しストレスを溜めるよりは、ほどほどに嗜み、
ストレスを抱かない様にすることが大切だと、この調査の結果は示唆してくれています。




以下は、出典または原典です。

S1
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「フィンランド症候群のうそ」

https://www.kinen-sensei.com/%E3%82%BF%E3%83%90%E3%82%B3%E5%95%8F
%E9%A1%8C%E3%81%82%E3%81%82%E8%A8%80%E3%81%88%E3%81%B0%E3%81%93
%E3%81%86%E8%A8%80%E3%81%86/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9
%E3%83%B3%E3%83%89%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9D/

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S2
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原典 ①:(略称:フィンランドの中年男性の長期死亡率の調査)
Long-term mortality after 5-year multifactorial primary prevention
of cardiovascular diseases in middle-aged men
JAMA. 1991 Sep 4;266(9):1225-9.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1870247/

※ 完全版の Full Text は有料の為、割愛。


◇ 本ブログに掲載した和訳付き原文
【 フィンランドの中年男性の長期死亡率の調査 】
( フィンランド症候群:原典①
http://no-one-knows.jp/blog-entry-94.html
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S3
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原典 ②:(略称:「ヘルシンキ・ビジネスマン調査」)
Mortality in participants and non-participants of a multifactorial prevention study
of cardiovascular diseases: a 28 year follow up of the Helsinki Businessmen Study
Br Heart J. 1995 Oct;74(4):449-54. doi: 10.1136/hrt.74.4.449.

◇ Full Text(pdf)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC484055/pdf/brheartj00167-0117.pdf


◇ 本ブログに掲載した和訳付き原文
【 ヘルシンキ・ビジネスマン調査:原文 】
( フィンランド症候群:原典②
http://no-one-knows.jp/blog-entry-95.html
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S4
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図16-4 ヘルシンキ・ビジネスマン調査での喫煙量と飲酒量

引用元は「タバコ病辞典」の「第1部図表コレクション」
http://tobaccobyo.life.coocan.jp/figures16.html

の、上から4番目の図。
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では、では。




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