【 英国でのコホート調査について 】
この調査の原文は、BMJ誌に投稿された
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Doll R, Peto R, Boreham J, et al.:
Mortality in relation to smoking:
40 years' observations on male British
doctor.BMJ 328:1519,2004
(オラッち訳)
【 喫煙に関する死亡率:英国の男性医師についての40年の観察 】
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という論文です。
まず ❝50年❞ ではなく ❝40年❞ です。
次に、この追跡調査の Abstract では
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SUBJECTS--34,439 British male doctors
who replied to a postal questionnaire in 1951,
of whom 10,000 had died during the first 20 years
and another 10,000 have died during the second 20 years.
(オラッちの意訳)
1951年に、郵送アンケートに回答した、34,439名の英国の男性医師の内
1万名は最初の20年(~1971年)の間に亡くなり
他の1万名は次の20年(~1991年)の間に亡くなった。
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と述べていますが、
・死因の詳細
・基礎疾患の有無
などが判然としません。
また「結果」として
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RESULTS--Excess mortality associated with smoking was
about twice as extreme during the second half of the study
as it had been during the first half.
The death rate ratios during 1971-91
(comparing continuing cigarette smokers with life-long non-smokers)
were approximately threefold at ages 45-64 and
twofold at ages 65-84.
The excess mortality was chiefly from diseases
that can be caused by smoking.
(オラッちの意訳)
結果-
喫煙に関連した過剰な死亡率は、研究の後半では、前半より極端に多く、2倍であった。
1971年から91年までの死亡率は(継続的な喫煙者と、生涯の非喫煙者を比較して)
45歳~64歳でおよそ3倍、65歳~84歳でおよそ2倍である。
この過剰な死亡(要因)は、主に喫煙が原因の疾病に拠るものであった。
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とあり、要は
『喫煙者の死亡は喫煙が原因』
と、❝決めつけて❞ います。
そこには、喫煙者の個々の健康状態や基礎疾患の有無に
ついては述べられていません。
こういった、偏向的な調査であったが故に、
この論文は真の信用に値せず、
喫煙原因の疾病に関する、追跡調査としての
❝古典的な教科書たる地位❞ を
得られなかった訳なのです。
この結果が「十分な検証でなかった」が故に
本論文の執筆者ドール卿とヒル卿は、3年後、
症例数を増やして喫煙と肺がんに関する追加研究を実施・報告しています。
(この原典は不明)
このように、当該論文は「喫煙と肺がんによる死亡」の
十分な裏付け資料とはなっていないのです。
では、では。
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