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【 統計学の数式 No.1 】

閲覧数:
2022.05.25(21:01) 87


【 統計学の数式 No.1 (By \({\LaTeX}\))】

\( x = a \) から \( x = b \) までの関数 \(f(x)\) の積分は  \( \int^{b}_{a} f(x) dx = \displaystyle\lim_{n \to \infty} \displaystyle\sum^{n-1}_{i=0} f(x_{i}) \Delta x \)
と置き換えて考えることができる.



母集団( Population )\(P\)
母平均( Population Mean )\(μ\)
母分散( Population Variance )\(σ^{2}\)
母標準偏差( Population Standard Deviation \(σ\)
標本数( Sample Size ) \(n\)
標本平均( Sample Mean ) \(\bar{x}\)
標本分散( Sample Variance ) \(s^{2}\)
標本標準偏差( Sample Standard Deviation ) \(s\)
共分散( Covariance ) \(σ_{xy}\)
相関係数( Correlation Coefficient )      \(R\)




【 標本 】

今、標本数( Sample Size )を \(n\) とし、変量を \(x \) とすると

標本平均\[\bar{x}= \frac{\displaystyle\sum^{n}_{i=1}x_{i}}{n} = \frac{1}{n}( x_{1}+x_{2}+ \cdots + x_{n} )\]
標本分散\[s^{2}= \frac{\displaystyle\sum^{n}_{i=1}(x_{i}-\bar{x})^{2}}{n} = \frac{1}{n}\{ ( x_{1}-\bar{x})^{2} + ( x_{2}-\bar{x})^{2}+ \cdots + (x_{n}-\bar{x})^{2} \}\]

標本準偏差\[s = \sqrt{s^{2}}\]





【 母集団 】

母集団についても、平均、分散、標準偏差 の数式は同じ。
各々の記号が異なるだけ。

母平均\[μ= \frac{\displaystyle\sum^{n}_{i=1}x_{i}}{n} = \frac{1}{n}( x_{1}+x_{2}+ \cdots + x_{n} )\]
母分散\[σ^{2}= \frac{\displaystyle\sum^{n}_{i=1}(x_{i}-μ)^{2}}{n} = \frac{1}{n}\{ ( x_{1}-μ)^{2} + ( x_{2}-μ)^{2}+ \cdots + (x_{n}-μ)^{2} \}\]

母標準偏差\[σ = \sqrt{σ^{2}}\]





【 多変量 】

二つの変量を、\(x、y\) とし、かつ、
この 二つの変量のサイズは両方とも同じで \(n\) とした時

共分散 \[σ_{xy} = \frac{\displaystyle\sum^{n}_{i=1}(x_{i}-\bar{x})(y_{i}-\bar{y})} {n}\]

   \[=\frac{1}{n}\{(x_{1}-\bar{x})(y_{1}-\bar{y})+(x_{2}-\bar{x})(y_{2}-\bar{y})+ \cdots + (x_{n}-\bar{x})(y_{n}-\bar{y})\}\]

相関係数\[R=\frac{σ_{xy}} {σ_{x}σ_{y}}\]


とりあえずは、ここまで なのだワン!




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【 相関関係と因果関係 】

閲覧数:
2022.05.09(17:20) 86


【 相関関係と因果関係 】

ここでは、統計に於ける『Pitfall』について述べます。
右図は、

「男女別 肥満率の年次推移グラフ」(図-1)

です。
男女別 肥満率の年次推移グラフ
この資料の原典は
……………………………………
平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要
第2部 基本項目
第1章 身体状況及び糖尿病等に関する状況
1.肥満及びやせの状況)(平成 20 30 年)
……………………………………
です。(平成30年 = 2018年)

ここで 肥満率とは、調査対象者の中で、
BMI ≥ 25 (kg/m²)の人の割合(単位 %)となります。




図-1:男女別 肥満率の年次推移グラフ

このグラフを表にしたものが、右表 (表-1)です。

そして、この 表-1 から、Excel で、
『男女の肥満率の散布図』を作成してみました。


男女の肥満率の散布図
図-2:男女の肥満率の散布図 表-1:男女別 肥満率の年次推移表

この「図-2」の
横軸(x軸) は、男性の年別の肥満率で
縦軸(y軸) は、女性の、男性と同年の肥満率です。
各プロットに振っている「Hnn」は、平成nn年です。





さて、ここで統計量

M:男性の肥満率
F:女性の肥満率

この二つの統計量の 『相関係数』を、
Excel の「CORREL関数」を使って算出すると

相関係数 r = 0.5269706

が導かれます。

『相関係数』の解釈として、概ね、

・ 0.3未満:ほぼ相関関係はない
・ 0.3~0.5未満:非常に弱い相相関係がある
・ 0.5~0.7未満:相関関係がある
・ 0.7~0.9未満:強い相関関係がある
・ 0.9以上:非常に強い相関関係がある

と言われています。

因みに、二つの事象について、この『相関係数』が

❖  1の時:完全な正の因果関係がある
❖ -1の時:完全な負の因果関係がある

となりますが、完全に ±1 になることは、まずありません。


そして、上記の、『相関係数』の解釈を踏まえると
MとF との相関係数 r = 0.5269706 は

男性の肥満率と女性性の肥満率は、そこそこ相関関係がある。


という事になりますね。



さて、皆様は
『男性と女性の肥満率に相関関係などない』事は
経験的な知見によって、分っている筈ですね!

ところが

① 受動喫煙の曝露
② 健康被害

といった事象の相関関係については
経験的な知見が備わっておらず、それ故に
ある程度の肩書のある医師や医学研究者が

……………………………………
① と ② の相関関係を示した統計を掲げ
『故に、受動喫煙への曝露は健康被害を齎す』
可能性が、このように高いのです。
……………………………………

と、結論すれば、素人たる読者は
❝なる程、受動喫煙って危険なんだ❞
という認識を形成していく訳なのです。

これは、極論すれば
『未知の論証の誤謬(fallacy of the argument from ignorance)』
に属する論法だと考えられます。

すなわち
「XがYでない事は誰にも証明出来ない。故にXはYである」
という推論形式なのです。

オラッちの主張 ❗


ここで大事な事は
『自分なりの検証を行う』
そして、その際に、
『自分の経験的知見と照合する』
ことだと考えています。

では、では。





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【 続:英国人医師に対する大規模コホート調査について 】

閲覧数:
2022.01.23(16:21) 78



【 続:英国人医師に対する大規模コホート調査について 】



まず、オラッちの過去のブログ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 英国人医師に対する大規模コホート調査について 】
http://no-one-knows.jp/blog-entry-76.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これを「元ブログ」と言います。


元ブログへのリンクを示した、知恵袋でのオラッちの質問
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 喫煙者と非喫煙者:英国での大規模コホート調査について 】
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10255392915
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

そこで、ある回答者の方から、以下の様な疑義を頂きました。

『でも実際喫煙者の方が早死にしてるんでしょ?』と・・・

そこで、ここでは元ブログに引用した

50年研究版のFig_3

――――――――――――――
〖 論文② 〗に掲載された Fig.3 (右図)
――――――――――――――

について、少し追記することにしました。
以下は、〖 論文② 〗に対する、オラッちの疑問点/指摘点です。
( [] 内は原文のまま)


Ⅰ・被験者総数

[Participants 34 439 male British doctors.]

となっていますが、喫煙者と非喫煙者の内訳が
明記されていません。

手掛かりとなるのは

[only 17% were lifelong non-smokers]

という事で、

被験者数数 34,439
喫煙者数  28,584(83%)
非喫煙者数  5,855(17%)

だと推測します。

つまりは、喫煙者が、約5倍なのです。
これを以てしても「正しいコホート調査」とは
言えないと認識すると共に、正確な数字を明記しない論文は
信用に値しないと断言できます。


なぜなら、
二つの群(喫煙者群と非喫煙者群)の
母数(統計学での意味ではなく、分母の数値)が
斯様に異なることは「ランダム化 臨床試験」における原則である
……………………………………
ランダム化臨床試験では試験介入群と
コントロール介入群の試験参加者数を同数とする
……………………………………
に、完全に反しているからなのです。

コホート調査と雖も、この原則は
正しい傾向を導出する為には、重要な原則であると考えます。


Ⅱ.Fig.3 の根拠テーブル

それは、

[Table 5 Overall mortality among never smokers, ex-smokers,
and continuing cigarette smokers in relation to stopping smoking
at ages 35-64 (men born 1900-1930 and observed during 1951-2001)]

という[Table.5]です。

以下に画像として抜粋します。


英国人医師 コホート調査 Table_5


このテーブルから、どのようにして [Fig.3 Percentage survival from age 35] を
作成(プロット)したのか、オラッちでは、理解できません。
(分かる方は、ご教示下さい)

同じ「(死亡年齢の)10歳階級」であっても、
[Table.5] は、35-44、45-50、55-64、65-74、75-84 を表にしているのに対し
[Fig.3] では、x軸の年齢は、-0、50、60、70、80、90、100 となっており
プロットのデータ値(生存率)も、x軸の年齢階級で示されている。

これは、明らかに「トリック手法」と言えるでしょう!


Ⅲ.[Table.5]のトリック

この[Table.5]から、単純に導かれるグラフを示します。

それは、10歳年齢階級別の、喫煙者/非喫煙者 毎の
死亡者数のグラフです。下図


10歳階級別 死亡者数のグラフ

このグラフの各プロットの数値は、
単純に[ Table.5] の各年齢階級の、
非喫煙者は、 [Lifelong non-smokers] の、()内の死亡者数で
喫煙者は、[Continuing cigarette smokers] の、()内の死亡者数です。
従って「途中で喫煙を止めた人」は、除外しています。


この[Table.5]の値が正しいとするならば
不思議な事に、「75 - 84 歳」では、
非喫煙者の死亡数の方が多くなっていますね。


Ⅳ.矛盾する記述

既に、この論文の ❝綻び❞ は見えていますが
ここでは、更に、『主張と矛盾した記述』を二つ程、挙げてみます。
和訳は、全てオラッちの意訳です

二つとも
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Over whole 30 year period(Page 6 of 9)
30年の期間についての総括
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
という節からの引用です。


Ⅰ.

The results suggest a shift of about
10 years between the overall survival patterns of the continuing
cigarette smokers and the lifelong non-smokers in this particular
generation.

結果は、この特定の世代における、
常習的な喫煙者と生涯の非喫煙者の全体的な生存率パターンで、
およそ10年のシフト(差異)を示します。

That is not to say that all such smokers died about 10
years earlier than they would otherwise have done:

しかし、それ(10年のシフト)は、
すべての常習的喫煙者が、喫煙しなかった場合の寿命より
約10年早く死んだと言うことには、なっていません



「喫煙者は、非喫煙者より10年早く亡くなっている」との主張なのに
「喫煙しなかったら10早く亡くなった・・・という事ではない」

と言っています。

「喫煙しなかった人 = 非喫煙者」なんですから・・・
矛盾した記述だと言えますね。

Ⅱ.
some were not killed by their habit, but about half were, thereby losing on average more than 10 years of non-smoker life expectancy.

幾人かは喫煙習慣によって死亡した訳ではありません。
しかし、およそ半分はそうでした。
故に、平均して非喫煙者寿命より10年以上、短命でした。


Indeed, some of those killed by tobacco
must have lost a few decades of life.

本当に、タバコによって命を奪われる人々の幾人かは、
2、3十年の生命を失ったにちがいありません。



そして、次には
「喫煙者は、天寿よりも 2、3十年早く死亡した」
と、述べています。

も~う、自家撞着も甚だしいですね。


Ⅴ.生存率

生存率とは、例えば、ある調査に於いて

❶ ある集団の被験者総数を n1
❷ ある観察期間を p1
❸ p1 の期間での死亡者数を d1

とした時

p1 の期間での
❻ 生存者数 s1 = ( n1 - d1 )
❹ 生存率 ar1 = s1 ÷ n 1× 100

ですね!

次の観察期間 p2 では、
❶ 被験者総数は n2 = s1
( p2 のスタート時点の生存者は、s1 )

❸ p2 の観察期間での死亡者数を d2
❻ 生存者数 s2 = ( n2 - d2 ) = ( s1 - d2 )

となりますので

❹ p2 の観察期間の生存率 ar2 = s2 ÷ ( s1 - d2 ) × 100

ですね。

そして、[Table.5] から、10歳階級別の生存者と生存率を
表にすると、以下の様になります。

観察期間別 10歳階級別 生存率表

また、これをグラフにすると、下図のようになります。

喫煙者 vs 非喫煙者:35歳からの生存率_グラフ


このように、実は、喫煙者の生存率の方が高い
ことになるのです。


Ⅵ.Fig.3 のグラフの曲線

ここで、〖 論文② 〗に示された図(Fig.3)を再掲します。

50年研究版のFig_3


この図は、ご覧のように ❝なめらかな曲線❞ でグラフが描かれています。

解析などでグラフを描画する場合の鉄則があります。
それは、プロットの点と点は直線で結ばなければならない、
ということなのです。

でないと、そのグラフは ❝嘘をついている❞ ことになるのです。
人為的に手が加えられている為に・・・

どうしても、全体的に ❝なめらかな曲線❞ にしたければ
x軸(この場合は死亡数を観察する期間の年齢階級)のスパンを
極々小さくしていけば、自然と曲線を描きだすのです。


まとめ

以上、Ⅰ.~ Ⅵ より、本研究は信用に値しない と、言えるのです。
また、「Ⅴ.生存率」の表とグラフより、『実は、喫煙者の方が生存率が高い』
別の言い方をすると『実は、非喫煙者の方が早死にしている』と結論できます。






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【 喫煙と呼吸機能 】

閲覧数:
2022.01.14(15:37) 77



【 喫煙と呼吸機能 】
(以下の枠囲い中の英文の訳は、全てオラッちの意訳です)

最近、喫煙マナー・カテで、以下の様な図が掲示されています。

〖 25歳の時を100% とした肺機能の低下 〗の図(以降、「図1:肺機能の図」)

25歳の時を100% とした肺機能の低下の図(知恵袋 掲示版) 図1:肺機能の図


この図に関しては、かって SOKONOKE さんが、疑義を質問投稿されました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10233083690


さて、この図に関し、まず日本での校本は下記です。

〖 日本での校本(以降、「校本」)〗

『喫煙問題に関するスライド集』➪ 図:喫煙と呼吸機能(pdf の P.29)
(日本肺癌学会:禁煙推進委員会 作成)
https://www.haigan.gr.jp/uploads/files/photos/436.pdf



そこでは、以下の図が掲示されています(以降、「図2:校本図」)
喫煙と呼吸機能(スライド集より 図2:校本図

この「図2:校本図」では、グラフの右側、つまり
『75歳以上の年齢では、どのようになるのか』が明示されていません。

ですので、生涯の非喫煙者が、どの年齢位まで
喫煙者と比較して、長生き(肺機能が働いているのか)
が不明です。


そしてその底本は、BMJ誌に、1977年に掲載された

The natural history of chronic airflow obstruction.
Br Med J 1977; 1

PDF版のURL
https://www.bmj.com/content/bmj/1/6077/1645.full.pdf


です(以降、「原典」)




この原典でも、やはり右側が図示されていません(下図、以降「図3:原典図」)
喫煙と呼吸機能の経年変化(原典) 図3:原典図


従って「タバコを吸わない人」の死亡年齢は不明です。


※ 原典の縦軸の FEV₁ とは

努力性呼出の検査において、
呼出を始めてから1秒間に最大に吐き出すことのできる気量を
1秒量(forced expiratory volume;FEV₁)といい、
1秒量が肺活量(vital capacity;VC)の何%になるかを表すのが1秒率です。


この「図3:原典図(Fig.1)」の下部に述べられた説明は以下の通りです。

fig 1-Risks for various men if they smoke:
differences between these lines illustrate effects
that smoking, and stopping smoking, can have on FEV₁ of man
who is liable to develop chronic obstructive lung disease
if he smokes.

† = Death, the underlying cause of which is
irreversible chronic obstructive lung disease,
whether the immediate cause of death is respiratory failure,
pneumonia, cor pulmonate, or aggravation of other heart disease
by respiratory insufficiency.

Although this shows rate of loss of FEV₁
for one particular susceptible smoker, other susceptible smokers
will have different rates of loss,
thus reaching "disability" at different ages.

(オラッち意訳)
様々な男性が喫煙した場合のリスク:
即ちそれは、この図のFEV₁曲線に示されたように
喫煙者と非喫煙者間におけるタバコの影響度を物語っている。

また 彼が喫煙するならば、COPDに罹患しやすい男性の
FEV₁曲線は、このようになる可能性が高いと言える。

図中の † マークは、死亡を表し
直接の死因が呼吸不全(肺炎)であるか否かにかかわらず、
死亡の根本原因は、元に戻らない(不可逆性の)慢性閉塞性肺疾患や
肺炎、肺性心(cor pulmonate:肺の疾患による心臓の右心室肥大)、
あるいは呼吸障害による心臓病の悪化である。

しかしながら、
この曲線は、1人の特定の感受性の高い喫煙者による
FEV₁の損失の率を示すが、他の感受性の高い喫煙者は、
FEV₁の損失については、異なる損失率を示す。
このようなことから、異なる年齢で「障害」が発生する。



また、この図の上部には、以下の様に述べられています。

Results and comment
SMOKING AND LOSS OF FEV₁

The following conclusions are summarised in figs 1 and 2.

Firstly, we found that FEV, declines continuously and smoothly over
an individual's life (fig 1).

We believe that sudden large irreversible falls are very rare,
for the 9190 measurements that we made of the changes in FEV,

between successive six-monthly surveys were
distributed exactly symmetrically about their mean,
with no evidence of any "tail" due to
sudden substantial losses (p 224)

The rate of loss seems to accelerate slightly with aging (p 67).

以下の結論は、図1、2 に集約されている。

第一に、FEV₁が各個人の人生において、
連続的に滑らかに下降曲線を辿ることを、我々は確認しました (fig 1).

FEVの変化を示した9190の標本の測定を、我々が行った範囲では
突然の大きな不可逆性の(FEV₁曲線の)下降は、非常に珍しく、

6ヶ月毎の連続調査の間、標本者達の平均付近に
正確に対称的にプロットされました。

それは、突然の かなり大きな下降を示す
「後続部(※)」の証拠なしでも・・・

※ 調査期間以降の事を意味している

損失の割合は、老化でわずかに加速度的に増えるようです(p 67).






さてここで、この図3:図(Fig.1)に、
(上記で示した)原典で述べられた記述を参考に
❝Tail❞ 部分を補完した図を作成しました(下図の下側の図、以降「図4:補完図」)

その「図4:補完図」と、日本での校本の「図2:校本図」とを
対比した図(以降、「図5:対比図」)を以下に示します。
喫煙と呼吸機能の経年変化(対比図) 図4:補完図(下側の図)
 図5:対比図





さて、この「図5:対比図」から言える事は何でしょうか?
以下に纏めてみました、

① 生涯の非喫煙者であれば、100歳以上まで存命である(緑色の曲線)

喫煙者の死亡年齢は明確に示しているのに対し
生涯の非喫煙者の死亡年齢を明示しない・・・
という図は ❝信頼性に欠ける❞


② 「図3:原典図」の下部に述べられた説明(その1

……………………………………
彼が喫煙するならば、COPDに罹患しやすい男性の
FEV₁曲線は、このようになる可能性が高いと言える。
……………………………………

と述べている様に、あくまで ❝可能性が高い❞ と、主張しているだけで
その可能性に関し喫煙者と比較した時の 95%CI(信頼区間)は記述されていない。

これは ❝非常に曖昧なバイアス的なデータから導かれた図(原典図)❞ と結論できる。



③「図3:原典図」の下部に述べられた説明(その2

……………………………………
図中の † マークは、死亡を表し
直接の死因が呼吸不全(肺炎)であるか否かにかかわらず、
死亡の根本原因は、元に戻らない(不可逆性の)慢性閉塞性肺疾患や
肺炎、肺性心(cor pulmonate:肺の疾患による心臓の右心室肥大)、
あるいは呼吸障害による心臓病の悪化である。
……………………………………

というように、死因を ❝決めつけている❞ のは
この種の、タバコの健康への悪影響を示唆している論文に
共通の ❝トリック❞ とも言えるものであろう!



④「図3:原典図」の下部に述べられた説明(その3

……………………………………
この曲線は、1人の特定の感受性の高い喫煙者による
FEV₁の損失の率を示すが、他の感受性の高い喫煙者は、
FEV₁の損失については、異なる損失率を示す。
……………………………………

この叙述は「タバコに対する耐性が非常に弱い喫煙者」の
FEV₁曲線を示していることを明確にしている訳で
❝喫煙者の平均的なFEV₁曲線ではない❞ と言える。


⑤「図3:原典図」の上部に述べられた説明(その1

……………………………………
突然の大きな不可逆性の(FEV₁曲線の)下降は、非常に珍しく、

6ヶ月毎の連続調査の間、標本者達の平均付近に
正確に対称的にプロットされました。

それは、突然の かなり大きな下降を示す
「後続部(※)」の証拠なしでも・・・
……………………………………

と述べられている様に、何故か ❝故意に❞
「後続部」を省略している。

これでは到底 ❝信頼に値しない❞ と言えるであろう。


――――――――――――――

以上の理由(特に ④ と ⑤)から
『このFEV₁曲線の信憑性は薄い』
と結論できるのです。

では、では。




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【 英国人医師に対する大規模コホート調査について 】

閲覧数:
2022.01.14(11:57) 76



【 英国人医師に対する大規模コホート調査について 】


まず、この論文の原典は、二つ存在します。

〖 論文①:Title 〗

Mortality in relation to smoking: 40 years'
observations on male British doctors.

(オラッち訳)
【 喫煙に関する死亡率:
ㅤㅤ英国の男性医師についての40年の観察 】

BMJ. 1994 Oct 8; 309(6959): 901–911.
doi: 10.1136/bmj.309.6959.901
PMCID: PMC2541142
PMID: 7755693

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2541142/




〖 論文②:Title 〗

Mortality in relation to smoking: 50 years'
observations on male British doctors

BMJ 2004; 328
doi: https://doi.org/10.1136/bmj.38142.554479.AE (Published 24 June 2004)
Cite this as: BMJ 2004;328:1519

https://www.bmj.com/content/328/7455/1519




つまり、1994年に発表された 論文 ① に対し
その10年後の2004年に発表された ② の論文です。
これは、① の追加研究と見なされます。


それぞれの論文の中身を見ていきます。


〖 論文①:Abstract 〗

・・・
SUBJECTS--34,439 British male doctors
who replied to a postal questionnaire in 1951,
of whom 10,000 had died during the first 20 years
and another 10,000 have died during the second 20 years.

(オラッち意訳)
1951年における、34,439名の英国の男性医師(40歳以上)の内
1万名は最初の20年(~1971年)の間に亡くなり
他の1万名は次の20年(~1991年)の間に亡くなった。



と述べていますが、
・死因の詳細
・基礎疾患の有無

などが判然としません。


〖 論文①:Result 〗

・・・
RESULTS--Excess mortality associated with smoking was
about twice as extreme during the second half of the study
as it had been during the first half.

The death rate ratios during 1971-91
(comparing continuing cigarette smokers with life-long non-smokers)
were approximately threefold at ages 45-64 and
twofold at ages 65-84.
The excess mortality was chiefly from diseases
that can be caused by smoking.

(オラッち意訳)
結果-
喫煙に関連した過剰な死亡率は、
研究の後半では、前半より極端に多く、2倍であった。

1971年から91年までの死亡率は
(継続的な喫煙者と、生涯の非喫煙者を比較して)
45歳~64歳でおよそ3倍、65歳~84歳でおよそ2倍である。
この過剰な死亡(要因)は、
主に喫煙が原因の疾病に拠るものであった。



とあり、要は
『喫煙者の死亡は喫煙が原因』
と、❝決めつけて❞ います。

そこには、被験者の
・個々の健康状態
・基礎疾患の有無
・遺伝的要因
ついては述べられていません。

こういった、偏向的な調査であったが故に、
この論文は真の信用に値せず、
喫煙原因の疾病に関する、追跡調査としての
❝古典的な教科書たる地位❞ を
得られなかった訳なのです。



〖 論文②:Result 〗

Results The excess mortality associated with
smoking chiefly involved vascular, neoplastic, and
respiratory diseases that can be caused by smoking.

(オラッち意訳)
結果 - 喫煙に関連した極端な死亡率は、
主に喫煙に起因するとされる、
血管系、腫瘍性、呼吸器系の疾患に起因する。




ここでは、血管系、腫瘍性、呼吸器系の疾患は
喫煙が原因だと断定し、
故に喫煙者の死亡率は高いと主張しています。


〖 論文②:Conclusion 〗

Conclusion A substantial progressive decrease in the mortality rates
among non-smokers over the past half century
(due to prevention and improved treatment of disease) has been wholly outweighed,
among cigarette smokers,
by a progressive increase in the smoker ν
non-smoker death rate ratio due to earlier and more intensive use of cigarettes.

(オラッち意訳)
結論 - 過去半世紀にわたり(病気の予防や改善された治療によって)
非喫煙者に見られる当然とも言える斬新的な死亡率の減少は、
喫煙者と比較し、大きく上回った。

それは、若年期からの喫煙や、常習的な重度の喫煙者が
非喫煙者と比較して、その死亡率が累積的な増加を示す事で
見て取れる。




まぁ要は「喫煙者の方が、非喫煙者より早死する」
との主張しかありません。



以下、本論です。

〖 論文② 〗に掲載された図(Fig.3)は、下図の通りです。
50年研究版のFig_3

















そして、ある方が〖 知恵袋 〗で引用した、八戸市の医院のエッセイに掲載された図は以下の通りです。
喫煙者 vs 非喫煙者:35歳からの生存曲線





この 〖 論文② 〗の Fig.3 については、以下の様に説明されています。

Figure.3 averages the findings in 2 for all men born in 1900-1930,
distinguishing between lifelong non-smokers and continuing cigarette smokers.

(Among the latter, the median age when they began smoking was 18,
and at the start of the study their median age was 36
and their mean self reported cigarette consumption was 18 a day.)

The results suggest a shift of about 10 years
between the overall survival patterns of the continuing cigarette smokers
and the lifelong non-smokers in this particular generation.

That is not to say that all such smokers died about 10 years earlier
than they would otherwise have done:
some were not killed by their habit, but about half were,
thereby losing on average more than 10 years of non-smoker life expectancy.

Indeed, some of those killed by tobacco must have lost a few decades of life.

(オラッち意訳)

図3 は、1900-1930年に生まれた全男性について、
一生涯喫煙しなかった者と、継続的なタバコ喫煙者を区分して調査した
2つの平均的な結果である。

( 後者(喫煙者)について、彼らが煙草を吸い始めた年齢の中央値は18でした、
そして、本研究の開始時点で、彼らの年齢の中央値は36でした、
また彼らは、タバコの消費が1日につき18本であると報告していた )

結果は、この特定の世代で継続的なタバコ喫煙者と
生涯の非喫煙者の間の全体的な生存率パターンは、
およそ10年の差異(シフト)を示している。

それは、全てのそのような喫煙者が、
喫煙しなければ、全うしただろう寿命より
およそ10年早く死んだ、と言うことではない:

つまり、幾人かは彼らのその喫煙習慣による死亡という事ではないが
およそ半分はそうであった。
そして、それによって平均して非喫煙者の寿命より
10年以上早く亡くなっている。

実際、タバコによって命を奪われる人々の何人かは、
数十年の生命を失ったに違いない。






つまり、ここでも死因に関する様々な交絡因子の影響は度外視し
『喫煙者の死因 = タバコによる疾患』と決めつけている。
喫煙に関し、最も重要な要因である ❝遺伝子❞ については
全く取り上げられていないのです。

知恵袋では何度も言ってますが、喫煙に関しては
「CYP2A6」という「チトクロムP450系遺伝子」の影響が
非常に重大なのです。

よって、〖 論文② 〗の Fig.3 は信頼に値せず
それ故に、喫煙原因の疾病に関する、追跡調査としての
❝古典的な教科書たる地位❞ を得られなかった訳なのです。

以上!





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