【 惜日の譜 一 : 冷蔵庫 】
我が家に最初にきた冷蔵庫は、勿論「電気式」ではなかった。
「氷室」と言われた冷室があり、そこに「氷」を入れて冷やす式のものだった。
表面は木製で、中の庫室は金属製であったが、
今のような綺麗なスレンレスなどではなく、
ブリキのような雰囲気のもので作られていた。
小学校低学年の頃であった故、
それでも「凄い」と思ったことは、今でも鮮明に覚えている。
しかし、オラッちの日課(手伝い)が増えた。
氷が溶けた水を貯める「受け皿」が冷蔵庫の下の部分にあり
毎朝、その水を捨てるのがオラッちの役目となった。
そして毎朝、氷屋さんが配達してくれる「氷二貫目」を
その「氷室」に運ぶ仕事も加わった。
冬など、とても手が冷たかった。
最初に「電気式冷蔵庫」を見たのは、豪邸だった親戚の台所だった。
子供心に「氷室」の無いことを不思議に思い
あの扉、この扉と開けて確かめているうちに、怒られた。
「そんなにアッチコッチ開けると、冷やしてるものがダメになる」
と・・・ (✝_✝)
その親戚の豪邸は三千坪は優にあったと思われる。
夏などは庭の鬱蒼とした木々にとまっている
セミ取りに余念が無かった。
一度、庭で迷子になって半ベソをかいた記憶もある。
やがて我が家にも電気冷蔵庫が、氷式のものと交代で台所に鎮座した。
日課から解放されたことも手伝って、嬉しくて仕方なかった。
その「冷凍室」では、フリーザーという電気式の、いわば
「アイスクリーム製造器」で、今でいうスムージー的な
ソフトクリームが作れた。しかし「いつでも自由に」
という訳にはいかなかった。
母の許可が絶対のものであったから・・・
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【 惜日の譜 : はじめに 】
この[惜日の譜]は、オラッちの少年時代を思い出しながら
その記憶による出来事を単純に列記した、いわば「回顧録」である。
従って「曖昧な部分」も多分に存在するかもしれないし、
必ずしも時系列的に列挙されている訳でもない。
なお、「せきじつの面影」などと言う場合は「昔日」という漢字が
当用されるが、「惜しむ」という意味合いで[惜日]とした。
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